以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。部古書展は高円寺で開かれる古書展としては、やや値が高いほうなので、これまで何度か足を運んだが10冊以上買ったことはなく、このサイトにUPしたことはなかった。しかし、今回初めて購入数が10冊を越えたのでupする次第である。購入金額も、高円寺史上最も高い金額となってしまった。(2002.10.5)
大野芳『宮中某重大事件』 500円
この本は買おうかどうしようかかなり迷った挙句買ってしまった。迷ったのは、筆者が歴史家ではないため、内容がどの程度のものなのかよくわからなかったからである。しかし、杉浦重剛に興味があることなどもあって、結局購入した。なお、本の一番最後のページに、旧蔵者の感想が書き込まれていたのだが、評価の観点が私がいつも本を評価する観点とは全く異なることが面白かった。旧蔵者は、本の内容が、読み物としておもしろいかどうか、ドラマチックかどうかというエンターテイメントの観点から評価していた(その結果、この本は全く駄目な本であるらしい)。私は、面白いかどうかではなく、どれほど事実を発掘しているか、またその事実の歴史的意義についてどれだけ新しい見解を打ち出しているかという観点でいつも評価するので、エンターテイメント性はあまり重視していない。しかし、そうした見方をするのは研究者だけであって、一般の人々はやはり読み物的な面白さを求めるのであろう。しかし、このような主題の本に読み物的な面白さを求めるのもどうかとは思うが・・・。
福田赳夫『回顧九十年』 300円
福田のこの回顧録は、かなりだぶついていて(それだけ売れたということなのだが)、古書店でよくみかけるが、300円はやはり安いので購入。しかし読むのは一体何時になるのやら。
吉田幸太郎『選挙戦術虎の巻 選挙哲学』 1500円
この本は1500円と少し高かったが、初めて見た本で、かつ内容が面白そうだったので購入。当時の選挙の実態がよくわかる本。もちろん、筆者は別に選挙の実態を描こうとしてこの本を書いたわけではなく、選挙のあるべき姿を論じた「選挙哲学」の本であるらしいのだが、そのはしばしに、当時の実態を知ることのできるエピソードが含まれていて、非常に面白い。なお、表紙をめくったところに、著者の献呈署名があり、「田中閣下恵存」と書かれているのだが、「田中閣下」とは誰だろう。昭和8年発行なので、田中義一は既に死んでおり、違う。田中光顕か?それともただの無名人か?「様」「先生」ではなく「閣下」とあるところからすると、相当えらい人のようなのだが・・・。
深井英五『人物と思想』 200円
これは結構安かった。深井英五は、蘇峰門下で、日銀総裁も務めた人物。蘇峰の代作も結構やったらしい。交遊の範囲も広いので、この本や、『回顧七十年』などにも、いろいろ面白い証言が出ている。
河野一郎『河野一郎自伝』 100円
100円はさすがに激安なので、別に欲しい本ではなかったがとりあえず購入。
日本近代思想大系『学問と知識人』 1700円
1700円という値段なので、少し迷ったが、自分の研究で必要な本だと前から思っていたため、購入。
中原邦平『訂正補修忠正公勤王事績』 2500円
毛利敬親について中原邦平が語った記録だが、相場がいくらぐらいなのか知らず、買おうかどうしようか相当迷った。しかし明治本ということもあり、思い切って購入。帰ってからネットで検索してみると、なんと3000円で売っているところから、18000円で売っているところまで、値付けはさまざまである。しかしとりあえず安かったようで安心した。
日本思想大系『熊沢蕃山』 400円
400円で、状態も悪くなかったので購入。
福本日南『栗山大膳』 2500円
日南の著作はかなり集めたが、全然読んでいない。
信夫清三郎『近代日本産業史序説』 500円
はっきりいって、学術的にどの程度の内容があるものなのか全く分らなかったが、500円ということでとりあえず購入。この「とりあえず」のせいで、家の中がゴミため状態なのだが・・・。
河合栄治郎『改訂社会政策原理』 300円
河合栄治郎の著作は、300円以下でしか買わないという原則のもとに集めている。
今回は、値が高いものを結構買い込んだので、11冊で合計10500円、1冊あたりにすると約954円と、かなり高かった。高円寺では初めて1万円以上の買い物をしたことになる。すこし買いすぎたかな、との後悔を打ち消す為に、以前から一度やってみたいと思っていたことをやろうと思う。つまり、ネットの「日本の古本屋」で買った場合と、比較するのである。では、以下で比較してみたい。なお、以下のネットの値段はすべて2002年10月5日のもの。
書 名 西部展価格 「日本の古本屋」最安 同左差額 「日本の古本屋」最高 同左差額
宮中某重大事件 500 1000 500 1500 1000
回顧九十年 300 1000 700 2500 2200
選挙戦術虎の巻 選挙哲学 1500 3000 1500 3000 1500
人物と思想 200 1500 1300 3800 3600
河野一郎自伝 100 900 800 2800 2700
学問と知識人 1700 1500 -200 3500 1800
訂正補修忠正公勤王事績 2500 3000 500 18000 15500
熊沢蕃山 400 1200 800 3000 2600
栗山大膳 2500 6500 4000 15000 12500
近代日本産業史序説 500 1000 500 4000 3500
改訂社会政策原理 300 1000 700 1000 700
合計 10500 21600 11100 58100 47600
やる前からわかっていたことだが、やはり高円寺で買ったほうが断然安かった。これで、今日の買い物もいいものだったのだと納得できる(笑)。それに、ネットで買うと送料がかかる。『学問と知識人』はネットの方が安かったが、これも、送料を考えれば、こっちのほうが安い。と、無理やり自分を納得させてみたり・・。でもネット最安と合計価格で2倍以上もの差が出たのは、意外だった。ネット最高価格で全部買った場合に比べるなら、なんと47600円も安いことになる。もし今日買わずに、必要になって後から買い、たまたまネットで、最高価格のだけが売れ残っていた場合、その値段で買わなくてはならなかったのだから、やはり買ってよかったのだ(かなり強引)。ネット最安価格との差額が最も大きかったのは、『栗山大膳』の4000円、最高価格との差額が最も大きかったのは『訂正補修忠正公勤王事績』の15500円(!)であった。結構比較してみると面白いものである。ただ、時間がかかるが。
高谷 朝子 明石 伸子 太田 さとし
ビジネス社
売り上げランキング: 151312
posted by Webmaster at 00:00|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
雑文
|

|