2002年03月20日

2001年頃の東横線中目黒〜田園調布の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

東横線沿線にも古本屋が点在している。ここでは、中目黒・祐天寺・学芸大学・都立大学・自由が丘・田園調布の古書店を紹介する。あまり知られてないが、この地帯は日本史を得意とする古書店も存在する穴場なのである。

中目黒

文成堂書店(目黒区上目黒1-20-8)
中目黒駅の出口を出て道路越し左前方にすぐ見えるが、私が行った時には閉まっていた。人に聞いた話では、エロ本と新刊書が半々の本屋で、学術書とは無縁の店らしい。(2001.9.25)

たらの芽書店(目黒区上目黒2-18-13)
中目黒駅を出たら右へ少し進むと、「目黒銀座」と呼ばれる商店街の入り口がある。右折して目黒銀座に入り、しばらく進んでいくと左手に見えてくる。「たらの芽」とは変わった店名だが、この店は高田馬場に「キノコノクニヤ書店」というもっとふざけた名前の書店も経営している。この他、この店の斜め前には漫画専門の「熊の木書店」があり、また渋谷の「闘牛百貨書店」、荻窪の「象のあし」、西荻窪の「猫の手書店」、学芸大学の「本とうです」、祐天寺の「あたた書店」など多彩なチェーン展開を行っている。どの店も一般書が中心であるが(特にこのチェーンは新しい雑誌の古書を多く扱っている点に特色がある)、中には学術書の充実した店もあり、この「たらの芽書店」もそのひとつである。みすず書房や法政大学出版会などの思想系のものを中心に、歴史系の学術書も少ないがある。値段も普通から少し安いといったあたりである。たとえば三谷博『明治維新とナショナリズム』3200円といった具合。私はブラックの『ヤング・ジャパン』三冊揃を1800円で購入。(2001.9.25)

杉野書店(目黒区上目黒2-24-14)
たらの芽書店を過ぎ、さらに進んで行くとこの書店がある。店の三分の一はエロ本、三分の一は均一特価本、そして残りの三分の一が学術本である。私が行ったときには『ワッパ騒動と自由民権』が1000円で売っていて、買おうかどうしようか迷ったが、結局購入しなかった。特に高価なもの・めずらしいものは売っていない。学術か、エロ本か、どっちかに特化しないとこの店はやばいような気がする。こういう構成だと、どっち目当ての客もいまいちという感想を持って去っていくのではないか?大きなお世話だが。(2001.9.25)

祐天寺

北上書房(目黒区祐天寺1-21-16)
日本史をやっている人で、この近辺に来た人は必ず立ち寄ったほうがいい本屋である。この北上書房の店主は、神保町の南海堂で修行を積んだ人である。といえばわかるように、この書店は歴史・民俗がメインである。駅前左手のサカエ通り商店街を入っていったところにある。店の前のショーウインドウには神保町ばりの全集物・資料物が展示されている。たとえば『松方正義伝』40000円、『北一輝著作集』10000円、『血盟団事件公判速記禄』その他・・。南海堂出身だけあって、値段は安くはないが、南海堂ほど高いわけでもない。店の中にも古い学術書がおいてあり、中には黒っぽい本もあった。でも全然客は入ってない様子であり、そのうち店売りをやめるかもしれないような気がする。きっとこの店なら、即売展と通販専門にしたほうが効率がよさそうだから。でも古書店めぐりファンとしてはそれでも店売りをつづけてくれることを願う。(2001.9.25) 『山村豊次郎伝』を2000円で購入。(2002.8.26)

あたた書店(目黒区祐天寺2-14-8)
上でも紹介した自由フォーラムチェーンの一店舗。文庫・雑誌・女性書・サブカル・思想系の古書が充実し、歴史書もある。黒っぽい本はゼロだが、新しい学術書のあまり硬くないものが置いてある。値段は普通。私は鈴木淳『維新の構想と展開』(講談社)を半額で購入した。(2002.8.26)

学芸大学

飯島書店(目黒区鷹番2-15-11)
東口商店街を進んでいくと左側にある。硬めの本を取り揃えているものの、歴史関係の書は少ない。伊集院彦吉関係文書2冊で6000円で売っていた。(2002.3.20)

本とうです(目黒区鷹番)
東口商店街、飯島書店より少し手前、あさひ銀行角を右折するとある。上でも紹介した有名なチェーンのひとつ。このグループの特色は、雑誌の古本が置いてあることと、人文系学術書、とくに思想・芸術関係のものが置いてあることである。ここにも若干ながら人文系学術書が置いてあり、定価2万円の『近代日本の新聞広告と経営』が5000円で売っていた。お買い得とはいえ、やはり5000円は出す気になれず、購入しなかった。他に議会制度百年史の『目で見る議会政治百年史』が1500円で売っていた。(2002.3.20)

e-books(目黒区鷹番2-5-18)
飯島書店よりさらに先へ東口商店街を進んでいった先の十字路を右折、すぐしてすぐにある。漫画と一般書がほとんどだが、隅っこの方に歴史書・学術書も置いてある。ただし量は少ないのでいいものと出会える望みは薄い。(2002.3.20)

古本遊戯流浪堂(目黒区鷹番3-6-9)
駅を西に出て、線路沿いに南へ少しあるいて、右折するとある。一般書中心の本屋だが、少し硬めの本も置いてある。また新書・選書・文庫も充実している。しかし史料物やめぼしい学術書は置いていない。(2002.3.20)

都立大学

麗文堂書店(目黒区八雲1-3-4)
都立大学の駅から、柿の木坂の方向へしばらく歩くとある。店のつくりは変な感じで、何とか文具店の中にある。店は狭いが、古い学術書がぎっしりとある。文学・思想・美術関係が多く、歴史物も結構置いてある。値段はやや高め。新しい学術書はあまりなく、古いもので棚が埋まっている。(2002.8.26)

大野書店(目黒区八雲2-5-10)
麗文堂書店の手前にある郵便局のちょっと手前の道を左にはいってずーっと進んでいくとある。店は小さく、中味も一般書がほとんどで大したものは置いていない。ごく一部だけ学術書もおいてあるが、あまり期待できない。しかし、値段はかなり安めで、鹿野政直『戦後沖縄の思想像』が800円で売っていた。またここは、店の前の均一棚に、中公文庫や学術系の本が混じっていて侮れない。運がよければ、掘り出し物に出会えるかもしれない。私は『甲子園野球のアルケオロジー』を100円で購入。なお、この店まで来ると、自由が丘まで歩いてもそう遠くは無いので、自由が丘の書店にもついでに立ち寄ることをオススメする。(2002.8.26)

このほか都立大学には、都立書房・博文堂書店という近代史関係で有名な通販専門の書店がある。(2002.3.20)※都立書房は2002年いっぱいで店主の高齢のために閉店したとのこと。

自由が丘

東京書房(目黒区自由が丘1-9-6)
自由が丘駅南口にある。一見一般書店かと思うが、中に入ると、軍事史関係の本も結構豊富にあるので驚いた。特に芙蓉書房のものがずらっと並んでいた。でも値段はかなり高めに設定してある。このほか、思想系の本や文庫も多かったが、やはり値段は高めである。(2002.3.20)

西村文生堂(目黒区自由が丘1-9-6)
自由が丘北口にある。新しい建物の1階・2階に入っており、1階は漫画・文庫・美術書で、ここで『値段の明治・大正・昭和風俗史』の文庫版を2冊700円で購入。山本武利の『広告の社会史』が定価の半額で売っていた。2階には戦前の本や、歴史書・探偵小説などが置いてある。歴史書は基本的に定価の半額であり、吉川の学術書などはかなりお買い得だろう。その分、文庫はブックオフなどに比べて割高の観は否めないが・・。戦前の黒っぽい本はほとんどが、探偵小説・冒険小説・ミステリー・サブカル系の類で、歴史研究に役立ちそうなものは多くは無い。でも結構いい本屋なので、近くに来たときには寄って見ることをオススメする。大石真・高見勝利・長尾龍一編『対談集・憲法史の面白さ』を1000円で購入。(2002.8.26)

田園調布

古書肆田園りぶらりあ(大田区田園調布2-39-11)
田園調布駅東口すぐの三井住友銀行脇の坂道をくだり、つきあたりを道なりに右手に進んでいくとまもなくある。店の中狭しと本が並んでいる。文学系のものが多いようだが、歴史書も結構多くある。ただ、一箇所にまとめられておらず、分散しているので、書棚をくまなく見る必要がある。『岡倉天心全集』4万円、『痴遊雑誌』1万8千円、『薄田泣菫全集』3万8千円など、割合安いほうだと思う。岡倉天心全集は買おうか少し迷ったが、やめた。結構いい店なので、近くに来た際には寄ってみるのもいいかもしれない。(2002.3.20)

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2002年03月17日

2002年頃の沼津の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

沼津の古書店は、1997年3月に一度電話帳に出ている店を回ったことがあるが、どんな本を買ったか、どんな店があったか、など、当時のことは既に忘れてしまっていた。2002年3月に、伊東で大学院のゼミ合宿があった後、後輩の荒船俊太郎・松田好史両氏と再び訪れた。訪れてみて、かすかに5年前の記憶がよみがえった。

長島書店(三島市大手町3-5-3) 
駅南口の西武百貨店新刊の南側にある。小さい店で、歴史関係書はあまり多くは無い。『平野義太郎著作集』が置いてあるのを見て、5年前も同じ場所に並んでいたことを思い出した。5年ぶりの再会である。
値段は比較的高め。私は『坐漁荘秘録』を2000円で購入。(2002.3.17)

平松書店(三島市大手町4-6-8)
長島書店から、大通りに戻り、さらに南へと歩いていくと、左手に静岡銀行が見える。その少し手前で、右折するとある。店は割合広いのだが、床から背の高さと同じくらいの高さまでぎっしりと本が詰まれていて、本棚の本が上部のものしか見えない。床の本だって、全然見える状態になっていないし・・・。あれはひどい。あんな売り方では売れるものも売れないだろうに・・・。もっと整理すれば、少しは売り上げが上がると思われるのだが・・。この店は歴史関係書は結構置いてあるが、値段は少し高め。私は『西南戦争探偵秘話』を800円で購入。さきほど私が長島書店で2000円出して買った『坐漁荘秘録』がこちらでは1000円で売っておりショックを受けた。これは松田氏が購入した。さすが静岡だけあって、西園寺関係の本がいくつか見受けられた。(2002.3.17)


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2001-2002年頃の藤沢の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

藤沢という場所は、訪れるまでもっと田舎かと思っていたが、実際には結構な都会でおどろいた。古書店はすべて駅の北口にある。なかなかいい本屋がある場所である。

太虚堂書店(藤沢市藤沢460-8)
駅北口のデパートさいか屋の道路を挟んだ西隣にある。二階は漫画・雑誌等なので覗く必要なし。一階には文学・美術とともに歴史ものがあるが、めぼしいものはなかった。ただ、それほど悪い本屋でもないので、とりあえず覗いてみるといいかも。(2001.10.7)

しょうなんどう・ブックサーカス(藤沢市藤沢539)
太虚堂の前の道を北西に進んでいくとそのうち見つかる。三階建てで、そのうちの一階部分が一般書を扱っている。一見、一般書のみのショボイ本屋に見えるのだが、実際に入ってみると、文庫の絶版ものや、学術書、さらには黒っぽい本までが並べられている。本の量が非常にすくないため、探しているものが見つかるかはわからないが、もしかしたら掘り出し物に出会えるかもしれない。(2001.10.7)
その後2002年3月17日に藤沢を再訪した際、この店にしては珍しく『機密日露戦史』が3000円と安く売っていたので購入。(2002.3.17)

光書房(藤沢市藤沢1015)
しょうなんどうから少し北上したところ、オデヲン座の向かいにある。学術書や資料物も多く置いてあるお勧めの書店である。値段は高いものも安いものもあり。同時代史18000円、牧野伸顕日記4800円、福沢諭吉全集1〜19巻で20000円、井上伯伝18000などが置いてあった。(2001.10.7/2002.3.17)

祥書房(藤沢市藤沢1062-1-103)
光書房から少し北上した左側にある。ここもお勧めの本屋。学術書や資料ものが多く置いてある。私は、『明治天皇御集』『昭憲皇太后御集』(ともに岩波文庫、300円)、『風見章とその時代』500円、『エドマンド・バーク著作集T現代の不満の原因・崇高と美の観念の起源』500円、末松太平『私の昭和史』500円、石野瑛『明治天皇と神奈川県』1500円を購入。私の購入した本からもわかるかもしれないが、みすず書房から出てる本がたくさんおいてあり、値段も安かった。ほかに、土田杏村全集が揃で1万5千円というのが気になったが購入せず。(2001.10.7)

栄信堂書店(藤沢市本町2-2-2)
祥書房をさらに北に行くと、大通りと交差しているが、その大通りを左折した右手に栄信堂がある。小さい店で本当に本屋なのかと疑うほど狭くて、ものすごく入りづらい雰囲気である(このあたり、文章では説明しにくいのだが、行って見ればわかる)。中は狭いので、本の両も多くはないが、歴史書も少しだけあった。ここで特筆すべきは新書で、1冊100円の新書が大量においてある。本棚には前後二列でならべてあるので、後ろ側にある本をチェックするのは大変だが・・。私は中公新書の若槻泰雄『排日の歴史』を100円で購入した。(2002.3.17)

小林書店(藤沢市本町2-1-21)
祥書房のある通りを大通りを越えて北上すると小林書房があるが、一般書。駅からも遠いし、大した本はないので、ここまで来る必要はなかろう。また『全国古本屋地図』には、駅前に大橋書房という本屋を載せているが、ここはもう店売りはしていなかった。(2002.3.17)

聖知文庫(藤沢市藤沢575-1)
わたしが行ったときには閉まっていた。(2001.10.7)

古書とは関係ないが、駅前に「さいか屋」というデパートがあるのだが、そこは客があまり入っていなくて、つぶれそうなデパートである。特に品揃えが悪いわけではないし、値段も安く、企業努力はしていると思うのだが、「さいか屋」という名前と、建物が少し汚いので、遅れをとっているのだと思う。ここに限らず、地元生え抜きの百貨店は、チェーンの大デパートにおされつつある。私の祖母の住んでいる宇都宮でも地元生え抜きの「上野」「福田屋」という二つの百貨店は西武・東武におされてつぶれてしまった。何でも都会の勢力が勝つのは悲しいことなので、地元の人はなるべく「さいか屋」応援してやってほしい。8階のレストランには、安くてたくさん食べられる店がある。特に某イタリア料理店は激安で、腹いっぱいたべられます。かつ、味もとてもおいしい。だまされたとおもって一度行ってみてほしい。


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2002年03月02日

古書愛好会(西部古書会館)

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。

2001年の11月に初めて高円寺で開催される古書市のすばらしさを知って以来、何度か足を運んだが、そのたびに重い袋を持ってかえってくることになっている。本当に、西部古書会館の古書市は掘り出し物が多くてすばらしい。家からも電車で4駅なので、これからもお世話になることだろう。しかし、本の置き場がどんどんなくなっていく。そのうち本の上に寝ることになりそうだ。マジな話。
なお、今回から出品店名を書くのをやめる。私自身が面倒くさいというのと、出版元と勘違いする人がいる、という二つの理由からである。(2002.3.2)

紀田順一郎『落書日本史』 200円
この本は旺文社文庫からも出されているが、私が買ったのはそのもととなった三一新書版。昔の落書(らくしょ)の中には、読み手の側にも、或る程度の知的能力が要求される難解なものも多い。同時代ですら、そうであったのだから、社会状況の全く異なる今日の人間がむかしの落書を読もうとしても、そこらのパズルよりはるかに難解なものに感じるのは有る意味当然かもしれない。この本はそういった落書を今の人間に面白く生き生きと伝えてくれる本である。
遠藤鎮雄『かわら版明治史』 200円
これは角川新書の本。角川新書には、今ではなかなかお目にかかれない名著が多い。たとえば松永昌三の『明治のバックボーン』などはそうしたものの一つであると思う。他に角川新書では、私は筑波常治先生の『明治天皇』を探しているが、未だ一度もお目にかかったことはない。話がそれるが、筑波先生は私の学部時代の恩師で、知る人ぞ知る「緑の麗人」で、服から何から、すべて緑でそろえている人であった。住所も武蔵野市の「緑町」で、おまけに、私が一度ある書類に印を押してもらったところ、その朱肉まで緑色だったのである!もはや「朱肉」ではなく「緑肉」(なんだそりゃ?)である。そして筑波先生は、旧山階宮家のご子孫にあたる方で、紳士の風貌を備えている人でもあった。成績評価は「全良制」と言われ、実際友人たちもみな良であったのだが、私だけは取る授業全て優をいただいたので、大変感謝している。筑波先生も既に退官されたので、この種明かしをすると、別に私は取り立てて勉強したわけでもなんでもなく、テストの答案の最後に一年間のお礼と、とても授業が面白かった旨の言葉を懇切に書いただけなのである。要するに、個性的な先生だったので、他人と違うことを何かすれば優をくれる先生だったのである。昔は、緑のペンで答案を書くと優が来たそうだが、そのうちみんながやるようになってきたので、この技は通用しなくなってしまったという。先輩は、答案に「克己 SELF CONTROL」とだけ書いて、優が来たと言っていた。いい意味でも悪い意味でも、こうしたアバウトさが早稲田の特色だったと思うのだが、最近は早稲田らしさがなくなってきて少し悲しい。何か『かわら版明治史』と全く関係ないことを書いてしまった。
松浦玲『暗殺 明治維新の思想と行動』 200円
幕末史を暗殺の視点から描いた書。安いのでとりあえず購入。
末松謙澄『修養宝鑑明治両陛下聖徳記』 500円
伊藤博文の婿・末松の書だけに、明治天皇と昭憲皇后に関する興味深い記述がいくつかある。実はこの本は大正8年刊の初版はもっており、今回買ったのは大正11年刊の四版だったのだが、装丁が初版よりも豪華で、天金まで施されおり、またかなりの美本だったのでまた購入した。
渡辺茂雄『明治天皇』 500円
渡辺茂雄の『明治天皇』といえば、戦後に出たピンクの函に入った本をよく見かけ、私も昔購入したが、この本は戦時中に出されたもので、戦後版のもととなっている。内容に異同があるかどうかはわからないが、あとで比べてみようと思う。
野村秀雄『政党の話』 500円
第二朝日常識講座の第五巻。日本政党史の記述があるので購入。野村秀雄は広島県出身のジャーナリストで、朝日新聞の代表取締役や熊本日日新聞の社長、NHKの会長などを務めた人物で、ジャーナリストらしい批評が間々記されている。
ラボック原著・渋江保訳『処世方針幸福要訣』 500円
この本は明治本(明治24年刊)。今回の愛好会では、博文館叢書が多数出ていた。どれも買ってかえりたかったが、持つ体力と、置く場所のことを考えるとそういうわけにもいかず、この1冊だけ題名が気に入ったので購入する。渋江保は、いうまでもなく、森鴎外の名作『渋江抽斎』で有名な抽斎の子供であり、鴎外が執筆する際に、父の資料を提供した人物でもある。明治本の美本が500円なんて神田では絶対に考えられない。ああ、もっと早く高円寺を知っていれば・・・。
井上右『興亜先覚詩史』 500円
昭和19年に出された本なので、紙質が悪すぎて、印刷がかなり不鮮明になっているが、非常に珍しい本である。いわゆるアジア主義者またはそれに類する人々の漢詩を解説した本である。近代日本のアジア観などを研究している人にとっては、喉から手が出るほどほしい本であるに違いない。
中江篤介『一年有半』 200円
この本は明治34年発行の15版である。岩波文庫でも持ってるし、中江兆民全集も持っているのだが、冒頭に本書への各新聞の評が出ているのが重宝であるのと、値段が200円と激安なので購入。中江兆民の明治本が200円とは全く信じがたい。
市川房枝『市川房枝自伝 戦前編』 200円
この本はよく古本屋で見かけるが、200円ぐらいのが出るまで買うまいとして流していたら、案の定出てきたので購入。函つき、美本である。なお、この自伝は戦前編と銘打たれているが、戦後編はついに出なかった。自伝ではなく、他人が書いた伝記に、戦後編と銘打ったものが存在する。
肥田琢司『政党興亡五十年』 500円
原敬や田中義一の下で政治家として活動した肥田の回顧録。明治末から昭和戦前にかけての政治史を回顧したもの。まだ中身をよく読んでいないのでどの程度の情報量があるのかは不明。
雑誌『史海』第1巻〜第10巻合冊 500円
これは今回の掘り出し物の一つ。この『史海』という雑誌は、田口卯吉がやっていた歴史雑誌なのだが、この雑誌の第7号に久米邦武の「神道は祭典の古俗」論文が掲載されて、問題となったのである。久米の論文は前年史学会雑誌に発表されたもので、これはその転載だったのだが、初出は学術誌であったためにあまり人目にもふれなかったのだが、『史海』の方は一般人も読む本だったので、騒ぎが大きくなったのである。そういった意味でこの史料は歴史そのものといえるような代物だが、おそらく出品店主は知らなかったんだろうなあ。500円とは本当に信じがたい。
『皇太子殿下御慶事千代乃祝』 500円
これも500円というのが信じがたい本である。これは、嘉仁親王(大正天皇)の結婚を記念して出された本で、風俗画報の臨時増刊として出されたものである。
『日本皇室事典』 300円
新人物往来社の歴史百科の一冊として出されたもの。安いのでとりあえず購入。

古書集めは本当に奥が深い。次から次へと面白い本が出てくる。それにしても、毎回こんなに買っていたら、本当に置く場所がなくて困ってしまう。一体どうすればよいのだ???


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2002年02月16日

2002年頃の阿佐ヶ谷の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

むかし知り合いに「麻子」という名の女性がいた。その人がいうには、阿佐ヶ谷で生まれたから「麻子」と名付けられたという。それを聞いたときは、なんと安易な発想か、早稲田に生まれたら「早稲子」だったのだろうか、なんてくだらないことを考えたりした。あと、なぜ「阿佐子」ではなくて「麻子」なのか、ということも疑問におもった。思えば馬鹿だった。まあ、そんなことはどうでもいいのだが。でも今にして考えてみると、きっとその人の親御さんは、阿佐ヶ谷という町がすごく好きだったんだろうな、と思う。
阿佐ヶ谷には、北口・南口の両方向に古書店があり、どちらも遠くにあったりするので、全部回ると結構疲れてしまう。

阿佐ヶ谷駅北口

川村書店(杉並区阿佐ヶ谷北1-3-9)
駅北口から、すぐ右手に見える東京三菱銀行の前の道を進んでいくとある。元共産党市議の経営とのことで、店の前にも共産党のポスターが貼ってある。私が行った時にはシャッターが閉まっていて、営業していなかった。裏のほうの庭には「どうぞご自由に入って植物を鑑賞ください」という立て看板があった。その心はすばらしいと思うが、いかんせん、庭は荒れ放題でとても鑑賞に堪えるものではなかった。(2002.2.16)
追記:店主が亡くなったらしく、もう営業はやめたようだ。荒れ放題の庭にも、その旨の掲示がしてあった。(2003.3.8)
再追記:荒川さんの情報によれば、まだ営業はしているとのことです。2004年8月14日に営業していたとのことです。ただし、「本は山積みでお店に入るのは覚悟が必要」とのことです。(2004.8.14)

穂高書房(杉並区阿佐ヶ谷北1-3-16)
川村書店からさらに進んでいったところにある。知る人ぞ知る山の本の専門店。古い本が狭い店内に積まれている。しかし店が狭すぎて、一人先客がいるともう駄目。しかも本が整理されていなくて棚の前に雑然と積まれていたりして、どんな本があるのかがよく見えない。いずれにせよ、山の本が専門なので、歴史関係はあまり期待できないので、山岳・探検関係を探している人以外は、とりたてていく必要はないかもしれない。(2002.2.16)

千章堂(杉並区阿佐谷北2-13-19)
北口のアーケード街を進んでいくと左側に見える。ここは必ず寄った方がいい。歴史・文学・思想などの本が割りとそろっていて、値段も安めである。私は、小池喜明『攘夷と伝統 その思想史的考察』(ぺりかん社)を600円で、また『大日本憲政史』を全10冊揃で35000円で購入した。(2003.3.8)

今井書店(杉並区阿佐谷北2-15-4)
千章堂のすぐ先がつきあたりなので、そこを左折するとすぐある。店は小さいながらも、歴史・思想などの学術書も置いてある。吉川から出てる本も沢山あったが、なぜか近代のものは置いてなかった。一応要チェックの店である。(2002.2.16)

よみた屋(杉並区阿佐谷北1-33-7)
一般書中心で、歴史書も置いているが、学術書は少ない。(2002.2.16) ※閉店したとのこと(2003.5.25追記)

ゆたか書房(杉並区阿佐谷北4-6-28田中コーポ)
ここは駅から少し遠い。中杉通りを北に進んでいくと左手にある。が、わざわざ遠くまで来たのに、臨時休業だった。(2002.2.16)

阿佐ヶ谷駅南口

阿佐谷南口駅前のふるほんや・千章堂南口店(杉並区阿佐ヶ谷南3-35-13)
北口千章堂の息子さんが経営しているが、北口の店と違い歴史関係の本はほとんどない。(2003.3.8)

栗田書店(杉並区阿佐ヶ谷南2-19-6)
南口を出て左手に線路沿いに進んでいくとある。古い昔ながらの古本屋。手広く扱っており、社会科学系学術書が多くある。しかしながら、広く薄くという感じで、あまりめぼしいものはなかった。(2002.2.16)

ブックギルド2(杉並区阿佐ヶ谷南1-36-16)
パールセンター左側にあるが、地下一階にある店なので、注意深く見ていないと、見落として通り過ぎてしまうので要注意。池袋の夏目書房の支店とのことだが、扱う分野の広さは本店同様であり、さらに、本の量は本店よりも多く、一般書から学術書まで品揃え豊富である。歴史・思想・文学は独自のコーナーが設けられており、とりあえず覗いてみることをオススメする。(2002.2.16)

ブックオフ阿佐ヶ谷店(杉並区阿佐ヶ谷南1-33-7)
ブックギルドの少し先にある。店内は広い。100円本もくまなくチェックするといいものがあるかも。ただし当然ながら学術書は期待できない。私は『ラガーメン列伝』(文春文庫)、『早稲田ラグビー』(朝日文庫)、『天皇語録』(講談社文庫)、『天皇裕仁の昭和史』(新潮文庫)、木本建治『荒ぶる魂 勝つために何を教えるか』の5冊をすべて100円で購入した。「鬼のキモケン」こと故木本氏の本はちょうど探していたので嬉しかった。(2002.2.16)

古書弘栄(杉並区阿佐ヶ谷南1-17-20)
高円寺の古書展などでもよく見かける本屋なので期待して足を運んだ。たしかに、古い珍しい本がいくつかあったけれども、ビニールに大切にくるまれていて、値段が高すぎる。それから、歴史書よりも文芸書が多い。そんなわけで期待が大きかっただけにちょっとがっかりした。(2002.2.16)

星野書店(杉並区阿佐ヶ谷南1-9-7)
ここは、駅から少し遠いけれども、阿佐ヶ谷最強である。古い本は置いていないけれども、新しくてきれいな学術書が、小さい店内ところせましと棚に並べられている。歴史系の学術書も豊富で、阿佐ヶ谷へ来たら必ず覗くべき本屋である。狭い店だが、品揃えがいいだけに、客も多かった。値段は普通である。研究書の場合、定価の2千円引きぐらいのものが多かった。尾崎三良日記が1万5千円で売っていたが、高いので買わず。(2002.2.16) 三谷太一郎『政治制度としての陪審制』3000円、沼田哲編『明治天皇と政治家群像』4000円で購入。(2002.9.15)
 ※2003年10月末で閉店したそうです。こんないい書店まで閉店とは世も末です・・・。

あきら書房(杉並区阿佐ヶ谷南1-8-3)
南阿佐ヶ谷の民家の中にある店。古書店地図帳には出ていない店。民家を改装した店構えにはある意味感動する。軍事関係書や伝記を安く売っている。店主が読んだものを安く売りさばいているらしい。また自分で焼いたと思われる益子焼の茶碗も売っているが売れているのかは疑問。行くといつもお茶を出してくれる。黒っぽい本が多く、値段は相場より安いものがほとんど。『増田義一追懐録』を2500円、『東亜先覚荒尾精』を3000円で購入した。(2003.3.8)
『華族会館史』8000円、『明治十一年御巡幸録』500円、『明治天皇と輔弼の人々』1500円、『観樹将軍英雄論』1500円、『干城夫人』1000円を購入。やっぱりあまり人に教えたくない本屋のひとつだと思う。このページから削除しようかな(笑)(2003.5.25)


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2002年02月10日

2002年頃の仙川の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

府中の古書市に行った帰り、古書店地図をぱらぱらとめくり、京王沿線に古書店のあつまっているところはないかな、と探してみたところ、仙川に何軒かまとまってあるようだったので、途中下車して行ってみた。しかしながら、結果はハズレ。わざわざ来るほどの場所ではない。

朝日書林仙川店(調布市仙川町1-12-1) 
駅の出口は南側にあるが、その出口をおりたらすぐ、右手(つつじが丘方向)に進んでいくと見える。一般書の店で歴史関係の学術書はない。店頭に黒っぽい文学書がいくつか並んでいたが、大したものはなかった。特に行く必要の無い店。(2002.2.10)

訪文堂書店(調布市仙川町1-15-5)
朝日書林のところで左折し、南にしばらく歩くとある。古書即売会などによく出品している店なので期待していったが、あまりパッとしたものはなかった。やはり場所柄一般書が中心で、学術書もあるが、めぼしいものはなかった。(2002.2.10)

ツヅキ堂仙川店(調布市仙川町1-15-5) 
この店も駅の南にあるが、場所がわかりにくい。やはり一般書の店で学術書はない。しかし、文庫の量は多く、また値段も安い。私は『明治日本とイギリス革命』を250円、『明治大正見聞史』を150円で購入した。(2002.2.10)

川口書房(調布市仙川町3-1-4) 
駅の北側にある店。文庫と漫画のみ。行く必要はない。(2002.2.10)


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2002年頃の府中の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

府中には、とりたてていい古書店があるわけではない。というか、古書店自体、駅の近くに1軒あるだけである。
2002年2月、今年から府中の伊勢丹で古本市を開催することになったというので、ちょっと見にいってみた。しかしながら、東京の中心部で行われている古書市によく出店している店ばかりだったし、とりたてていい本もなかった。来年以降行くこともないだろうと思う。

木内書店(府中市宮町1-12-1) 
駅南口にある。数年前この店に知人と一緒に来たことがあったと、店をみて思い出した。自分の記憶の中では、府中だったか、調布だったか、記憶があいまいだった。といっても、昔来たのはこの書店が目的だったのではなく、知人に会いに来たとき、たまたま見つけて入っただけだった。
その知人とも今は音信不通。時の流れの早さにしばし感慨にふけってしまった。
この店は、こじんまりとした一般書を売る店で、学術書収集家には無縁の店であり、特に来る必要は無い。研究書や資料ものもちょっとだけある。『世界之日本』の復刻版が1〜5までで15000円で売っていた。(2002.2.10)


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2002年頃の千歳烏山の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

府中の古書市に行った帰り、古書店地図をぱらぱらとめくり、京王沿線に古書店のあつまっているところはないかな、と探してみたところ、仙川と千歳烏山に何軒かまとまってあるようだったので、途中下車して行ってみた。しかしながら、結果はどちらもハズレ。わざわざ来るほどの場所ではない。

古書リンガス(世田谷区南烏山4-9-13) 
駅の北東、旧甲州街道沿いの安田生命のそばにある。一般書中心の店だが、学術書・資料ものもあり、また文庫にもやや珍しいもの(レアとまではいかないが)がいくつかあったが、値段が高めである。『吉田茂書翰』『人間吉田茂』なども置いてあった。しかし、特にわざわざ駅から歩いてくるほどの店ではない。(2002.2.10)

ウインズ(世田谷区南烏山6-7-15) 
千歳烏山駅北口から2分ほどの場所にある。ビデオやゲーム中心であり、店に入る必要全くなし。南口にもあるらしいが、北口の様子からしてどうでもいいと思い、行かなかった。(2002.2.10)

愛仙堂支店(世田谷区南烏山5-23-14) 
南口、千歳船橋行きバス道路沿いに数分歩く。昔風の古本屋。軍事関係の文庫が揃っていた。研究書も少しあるが、めぼしいものは見当たらなかった。中公文庫の『文明開化の英語』を150円で購入。(2002.2.10)

十勝書房(世田谷区粕谷4-20-18)
歴史を取り扱い、デパート展などでも活躍していると、古書店地図帳に書いてあったので、期待して行ったが、その住所にそれらしき店はなかった。1軒、ボロボロで、シャッターのおりている店があったが、あれがそうだったのだろうか?つぶれてしまったのかもしれない、と思いきや、ここにホームページが!たまたましまっていただけだったのだろうか??(2002.2.10)
※その後の情報によると、神保町に移転したとのことです。(2002.3.10記)


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2001年11月03日

古書愛好会(西部古書会館)

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。

私は古本にはまりはじめたのが、神保町でアルバイトを始めたがきっかけだったので、神保町だけなら計200回以上は回っていると思うが、しかし、それ以外の古書街にはそれほど何度も足を運んでいるわけではない。そんなわけで、高円寺で開かれる古書市にも「どうせたいしたものないだろう」とタカをくくって、足を運んでいなかった。しかし今年に入って、知人が「結構いいよ」というので足を運んでみて驚いた。たしかに、神保町ほどの品揃えはないものの、値段の安さと掘り出し物という点で、高円寺の古書市はものすごくすばらしい場所だったのだ。前から何度も足を運んでいれば、どれほどの掘り出し物があったことだろうと、後悔している。
私が古書愛好会に行ったのは初日の11月3日の夕方4時ごろである。ちょうど中野の島忠に行く用事があったのでその後ついでに足を伸ばした。あいにくの雨で本を持ち帰るのが大変だった。帰りに高田馬場のツクモ電気にもよったのだが、でかい袋を重そうに抱えた私の姿は異様だったに違いない。

伊藤隆『昭和史をさぐる』 300円 (オヨヨ書林)
実証的な歴史分析と、史料の発掘・公刊によって、多くの功績を残してきた伊藤隆氏の著書。同氏の『昭和初期政治史研究』はずっと古書店で探しているのだが、どこも高い値がついていて、買っていない。復刻もされたのだから、もう少し安くすればいいのに。ひどいところでは2万円で売っていたりする。新刊でも7000円なのに、何故?
豊田穣『最後の元老西園寺公望』上下2冊(新潮文庫版) 300円 (オヨヨ書林)
私は以前西園寺公望に凝っていて、西園寺に関する著書をことごとく集めた。右翼のパンフレット類と静岡県警の警備記録以外は、ほとんど集めつくしたと思うが、これの文庫本はもっていなかったので購入(ハードカバーの方は持っているのだが)。しかし、これほど多くの西園寺本を買ったにもかかわらず、実は読んだのは立命館の『西園寺公望伝』と『小泉三申全集』の第三巻、それから『陶庵公清話』『陶庵随筆』ぐらいなものなのだ。『西園寺公と政局』すら実は読んでなかったりして・・・情けない。
前島省三『明治の元勲たちー官僚王国の源流ー』 300円 (悠山社書店)
徳間書店の新書。初めて見た本なのでとりあえず買っておいた。パラパラめくってみた感じでは、結構よく調べているのに、肝心なところで先入観による判定を下してしまっている。昔の本だから仕方ないだろうけど。
山折哲雄『近代日本人の宗教意識』 300円 (悠山社書店)
岩波のハードカバーが300円とは、恐るべし。特にほしい本でもなかったが、安いので購入。
星野武男『明治天皇御製新講』 500円 (昌輝書店)
最近明治天皇関係の著書を集めており、これもどうでもよさそうな本だったが一応安くて函つきなので購入。『明治天皇御集』って大正になってから作られているけど、どういう経緯で編輯されたのか、どのような取捨選択がなされたのか、修正とか加えられてないのか、などを研究したものってないのだろうか?まあ、そういう史料は宮内庁が絶対にださないだろうから、明らかにしえないのかもしれないけど。誰か知っている人がいたら教えてください。
渡辺欽城『三多摩政戦史料』 1200円 (金峯堂書店)
少し高いような気もしたが、定価は2800円だし、神田の某書店では5000円で売ってたしと思い購入。三多摩壮士には以前から関心があり、その名も『三多摩の壮士』という本をずっと探しているが未だ安いのがみつからない。
山崎丹照『内閣制度の研究』 300円 (啓明書店)
これはレアな本だ。きっと高いんだろうな、と思い裏表紙をめくるとなんと300円。安すぎるぜ!著者は当時法制局参事官で、官僚らしく、制度の変遷を手際よくまとめている。またその制度の運用の実態や、内閣と統帥権の関係など、とても有益で便利な本である。今回の掘り出し物の一つである。この著者は少なくとも4年前までは存命だった。、4年前に『天皇制の研究』という本の新装復刻版を出している。ほかにも『外地統治機構の研究』という本も書いていたと思う。
渡辺新三郎『明治天皇御製謹解』 500円 (水平書館)
これは本当にどうでもよさそうな本で、内容も大したことないのだが、とりあえず明治天皇関係ということで買っておいた。
渡辺幾治郎『昭憲皇太后の御坤徳』 1500円 (出品店不詳)
渡辺幾治郎先生の本は集めているので購入。函つきでうれしい。しかし渡辺幾治郎先生は何でこんなに天皇・皇后が大好きだったのだろう。歴史的な功績はすべて天皇・皇后のものになっている。そのうちのほとんどは臣下が手はずを整えたものだっていうのは、あれだけ史料を読んで入ればわかっていたであろうに・・・。
『読売新聞百年史』 2500円 (晴山書房)
これが一番の収穫。読売の社史はいくつか出ているが、これはそのうちでもっとも優れたもの。小野梓がペンネームを使って読売に書いていたというのも、この百年史を執筆した人(名前忘れた)が発見した事実だということを、以前『小野梓全集』編集に関わっていた人から聞いたことがある。しかし雨の中重くて重くて持ち帰るのが大変だった。

このほか、『対支回顧録』が6500円で買おうか迷ったが、ちょっとぼろぼろで壊れそうな本だったのと、もう既に持ち帰るのに大変なほどの量を買ってしまっていたのとで、買わなかった。
きっと朝早くくればもっと掘り出し物があるに違いない。知人の話では、会場がせまいので、開場後しばらくは押し合いへしあいでものすごい状態だとのことである。


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2001年10月07日

2001年頃の鎌倉の古書店

以下は、かつて管理人が公開していた「明治史研究のための古書店めぐり」に掲載していたものです。閉鎖にともない、このブログに転載しました。古い情報ですので、あくまで過去の記録として見てください。たぶん行っても今は無い本屋が多いと思います。

鎌倉は場所柄、上品な構えの、小さい古本屋が多い。美術関係を扱う書店ばかりで、歴史ものを扱う店は少ないが、公文堂書店だけは、鎌倉見学のついでに立ち寄ることをおすすめする。

木犀堂(鎌倉市雪ノ下1-5-32)
小町通りを進んでいった先、鏑木清方美術館の近くにある。きれいに本が並べられた、小さくて上品な店。美術と文学が主で歴史書はほとんどない。原武史『可視化された帝国』が2200円で売っていた。(2001.10.7)

芸林荘(鎌倉市雪ノ下1-5-38)
同じく小町通りだが、もう少し駅に近い方にある。数年前に行った時には歴史書がちらほらあったはずだが、全く無くなっていた。どうやら経営者が変わったらしい。美術が専門でこぢんまりした店である。(2001.10.7)

遊古洞(鎌倉市御成町13-30)
鎌倉駅西口の踏み切り近く。東口小町通り入ってすぐ西方面への道を曲がって行っても行ける。骨董品と古書半々の店である。文学が中心で、文学書は黒っぽいものもちらほら見えるが、歴史書はほんの少ししかない。探している『近衛篤麿日記』が別巻のみ置いてあったが、バラじゃどうしようもないので購入せず。(2001.10.7)

四季書林(鎌倉市御成町13-30)
遊古洞の近く、今小路沿いにある。私が行ったときは閉まっていた。目録販売が中心で文学が専門とのことなので歴史はあまり期待できなそうである。(2001.10.7)

公文堂書店(鎌倉市由比ガ浜1-1-14)
駅からちょっと遠いが、絶対に行くべき書店。六地蔵の近くにある。学術書・資料ものから黒っぽい本まである。値段は少し高め〜普通といった具合だが、本の量は大量にあり、中には珍しいものも散見できる。私は『宮内庁』という新書(1000円)と『明治大帝聖蹟文献集』(1000円)『インドの現状と将来』(1000円)の3冊を購入した。店のおばさんは何もいわずに500円まけてくれた。いい人だ。(2001.10.7)

田園書房(閉店か?)
『全国古本屋地図21世紀版』には掲載されているが、その場所へ行ってみたがそれらしき店はなかった。。(2001.10.7)


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