東横線沿線にも古本屋が点在している。ここでは、中目黒・祐天寺・学芸大学・都立大学・自由が丘・田園調布の古書店を紹介する。あまり知られてないが、この地帯は日本史を得意とする古書店も存在する穴場なのである。
中目黒
文成堂書店(目黒区上目黒1-20-8)
中目黒駅の出口を出て道路越し左前方にすぐ見えるが、私が行った時には閉まっていた。人に聞いた話では、エロ本と新刊書が半々の本屋で、学術書とは無縁の店らしい。(2001.9.25)
たらの芽書店(目黒区上目黒2-18-13)
中目黒駅を出たら右へ少し進むと、「目黒銀座」と呼ばれる商店街の入り口がある。右折して目黒銀座に入り、しばらく進んでいくと左手に見えてくる。「たらの芽」とは変わった店名だが、この店は高田馬場に「キノコノクニヤ書店」というもっとふざけた名前の書店も経営している。この他、この店の斜め前には漫画専門の「熊の木書店」があり、また渋谷の「闘牛百貨書店」、荻窪の「象のあし」、西荻窪の「猫の手書店」、学芸大学の「本とうです」、祐天寺の「あたた書店」など多彩なチェーン展開を行っている。どの店も一般書が中心であるが(特にこのチェーンは新しい雑誌の古書を多く扱っている点に特色がある)、中には学術書の充実した店もあり、この「たらの芽書店」もそのひとつである。みすず書房や法政大学出版会などの思想系のものを中心に、歴史系の学術書も少ないがある。値段も普通から少し安いといったあたりである。たとえば三谷博『明治維新とナショナリズム』3200円といった具合。私はブラックの『ヤング・ジャパン』三冊揃を1800円で購入。(2001.9.25)
杉野書店(目黒区上目黒2-24-14)
たらの芽書店を過ぎ、さらに進んで行くとこの書店がある。店の三分の一はエロ本、三分の一は均一特価本、そして残りの三分の一が学術本である。私が行ったときには『ワッパ騒動と自由民権』が1000円で売っていて、買おうかどうしようか迷ったが、結局購入しなかった。特に高価なもの・めずらしいものは売っていない。学術か、エロ本か、どっちかに特化しないとこの店はやばいような気がする。こういう構成だと、どっち目当ての客もいまいちという感想を持って去っていくのではないか?大きなお世話だが。(2001.9.25)
祐天寺
北上書房(目黒区祐天寺1-21-16)
日本史をやっている人で、この近辺に来た人は必ず立ち寄ったほうがいい本屋である。この北上書房の店主は、神保町の南海堂で修行を積んだ人である。といえばわかるように、この書店は歴史・民俗がメインである。駅前左手のサカエ通り商店街を入っていったところにある。店の前のショーウインドウには神保町ばりの全集物・資料物が展示されている。たとえば『松方正義伝』40000円、『北一輝著作集』10000円、『血盟団事件公判速記禄』その他・・。南海堂出身だけあって、値段は安くはないが、南海堂ほど高いわけでもない。店の中にも古い学術書がおいてあり、中には黒っぽい本もあった。でも全然客は入ってない様子であり、そのうち店売りをやめるかもしれないような気がする。きっとこの店なら、即売展と通販専門にしたほうが効率がよさそうだから。でも古書店めぐりファンとしてはそれでも店売りをつづけてくれることを願う。(2001.9.25) 『山村豊次郎伝』を2000円で購入。(2002.8.26)
あたた書店(目黒区祐天寺2-14-8)
上でも紹介した自由フォーラムチェーンの一店舗。文庫・雑誌・女性書・サブカル・思想系の古書が充実し、歴史書もある。黒っぽい本はゼロだが、新しい学術書のあまり硬くないものが置いてある。値段は普通。私は鈴木淳『維新の構想と展開』(講談社)を半額で購入した。(2002.8.26)
学芸大学
飯島書店(目黒区鷹番2-15-11)
東口商店街を進んでいくと左側にある。硬めの本を取り揃えているものの、歴史関係の書は少ない。伊集院彦吉関係文書2冊で6000円で売っていた。(2002.3.20)
本とうです(目黒区鷹番)
東口商店街、飯島書店より少し手前、あさひ銀行角を右折するとある。上でも紹介した有名なチェーンのひとつ。このグループの特色は、雑誌の古本が置いてあることと、人文系学術書、とくに思想・芸術関係のものが置いてあることである。ここにも若干ながら人文系学術書が置いてあり、定価2万円の『近代日本の新聞広告と経営』が5000円で売っていた。お買い得とはいえ、やはり5000円は出す気になれず、購入しなかった。他に議会制度百年史の『目で見る議会政治百年史』が1500円で売っていた。(2002.3.20)
e-books(目黒区鷹番2-5-18)
飯島書店よりさらに先へ東口商店街を進んでいった先の十字路を右折、すぐしてすぐにある。漫画と一般書がほとんどだが、隅っこの方に歴史書・学術書も置いてある。ただし量は少ないのでいいものと出会える望みは薄い。(2002.3.20)
古本遊戯流浪堂(目黒区鷹番3-6-9)
駅を西に出て、線路沿いに南へ少しあるいて、右折するとある。一般書中心の本屋だが、少し硬めの本も置いてある。また新書・選書・文庫も充実している。しかし史料物やめぼしい学術書は置いていない。(2002.3.20)
都立大学
麗文堂書店(目黒区八雲1-3-4)
都立大学の駅から、柿の木坂の方向へしばらく歩くとある。店のつくりは変な感じで、何とか文具店の中にある。店は狭いが、古い学術書がぎっしりとある。文学・思想・美術関係が多く、歴史物も結構置いてある。値段はやや高め。新しい学術書はあまりなく、古いもので棚が埋まっている。(2002.8.26)
大野書店(目黒区八雲2-5-10)
麗文堂書店の手前にある郵便局のちょっと手前の道を左にはいってずーっと進んでいくとある。店は小さく、中味も一般書がほとんどで大したものは置いていない。ごく一部だけ学術書もおいてあるが、あまり期待できない。しかし、値段はかなり安めで、鹿野政直『戦後沖縄の思想像』が800円で売っていた。またここは、店の前の均一棚に、中公文庫や学術系の本が混じっていて侮れない。運がよければ、掘り出し物に出会えるかもしれない。私は『甲子園野球のアルケオロジー』を100円で購入。なお、この店まで来ると、自由が丘まで歩いてもそう遠くは無いので、自由が丘の書店にもついでに立ち寄ることをオススメする。(2002.8.26)
このほか都立大学には、都立書房・博文堂書店という近代史関係で有名な通販専門の書店がある。(2002.3.20)※都立書房は2002年いっぱいで店主の高齢のために閉店したとのこと。
自由が丘
東京書房(目黒区自由が丘1-9-6)
自由が丘駅南口にある。一見一般書店かと思うが、中に入ると、軍事史関係の本も結構豊富にあるので驚いた。特に芙蓉書房のものがずらっと並んでいた。でも値段はかなり高めに設定してある。このほか、思想系の本や文庫も多かったが、やはり値段は高めである。(2002.3.20)
西村文生堂(目黒区自由が丘1-9-6)
自由が丘北口にある。新しい建物の1階・2階に入っており、1階は漫画・文庫・美術書で、ここで『値段の明治・大正・昭和風俗史』の文庫版を2冊700円で購入。山本武利の『広告の社会史』が定価の半額で売っていた。2階には戦前の本や、歴史書・探偵小説などが置いてある。歴史書は基本的に定価の半額であり、吉川の学術書などはかなりお買い得だろう。その分、文庫はブックオフなどに比べて割高の観は否めないが・・。戦前の黒っぽい本はほとんどが、探偵小説・冒険小説・ミステリー・サブカル系の類で、歴史研究に役立ちそうなものは多くは無い。でも結構いい本屋なので、近くに来たときには寄って見ることをオススメする。大石真・高見勝利・長尾龍一編『対談集・憲法史の面白さ』を1000円で購入。(2002.8.26)
田園調布
古書肆田園りぶらりあ(大田区田園調布2-39-11)
田園調布駅東口すぐの三井住友銀行脇の坂道をくだり、つきあたりを道なりに右手に進んでいくとまもなくある。店の中狭しと本が並んでいる。文学系のものが多いようだが、歴史書も結構多くある。ただ、一箇所にまとめられておらず、分散しているので、書棚をくまなく見る必要がある。『岡倉天心全集』4万円、『痴遊雑誌』1万8千円、『薄田泣菫全集』3万8千円など、割合安いほうだと思う。岡倉天心全集は買おうか少し迷ったが、やめた。結構いい店なので、近くに来た際には寄ってみるのもいいかもしれない。(2002.3.20)
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