2009年01月11日

幻の雑誌「平民刀」発見(京都新聞)

京都新聞の記事によれば、自由民権運動の流れをくんで明治23(1890)年に京都で創刊され、これまで実物が確認されていなかった政治雑誌「平民刀(へいみんとう)」が、京都市下京区の古書店で見つかったということです。

入手したのは、古書店「梁山泊」店主で、同業者から入手した古新聞の束に、1冊だけ交じっていたということ。以下記事から引用すると、

8月23日付の創刊号(16ページ)で、縦26センチ、横19センチ。発行元は「京都市河原町通三條大黒町 平民新聞社」となっている。
京都新聞の前身「京都日出新聞」の同年8月24日付によると、平民刀は創刊当日の未明、京都府警から治安妨害を理由に発行停止を命じられた。百二十部が差し押さえられたが、すでに大半は配られた後だったという。翌年5月28日付の記事でも、「第五平民刀」の発行停止が報じられており、同誌は少なくとも5回の発行と差し止めを繰り返したとみられる。
当時の法律では自由な言論・表現が制限されていた。今回、見つかった創刊号の「発刊の辞」には、同誌が「平民主義を抱く者」にとっての刀であり、「平民刀の荒療治」でしか京都の改革はできない、と急進的な主張が掲載されている。
続く記事では、京都の政財界の有力者を厳しく批判している。挿絵には、画家鈴木万年の筆で、血しぶきを上げて飛ぶ人の首が描かれている。


ということです。

記事では、松尾尊~(たかよし)・京都大名誉教授の「市内における自由民権運動を知る上で貴重な史料だ。平民新聞社はかつて、中江兆民も執筆した雑誌『活眼』を発行していた。彼の影響を受けた編集者たちが、言論の自由や地元京都の改革を目指して『平民刀』を作ったのだろう」というコメントも掲載されています。

この後、この雑誌がどこに所蔵されるのか、興味があります。また松本健一『幻影の政府』などでも紹介されていますが、この前後、新聞紙上には見えるが現物が残存していない雑誌が多く発行されていますので、今後そうした雑誌も多数発見されると面白いですね。

詳しくはこちら
「幻の雑誌「平民刀」発見」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009010900038&genre=K1&area=K00


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2009年01月04日

慶應義塾創立150年記念「未来をひらく福澤諭吉展」

1月10日から、東京国立博物館表慶館にて、慶應義塾創立150年記念「未来をひらく福澤諭吉展」が開催されるそうです。

「異端と先導−文化の進歩は異端から生まれる」とのコンセプトのもと、福澤の遺品をはじめ、その門下生が収集した美術コレクション、慶應義塾ゆかりの名品などが体系的に紹介されるとのこと。

詳しくは下記サイトをご覧ください。イベント情報のメールマガジンなども発行しているようです。

未来をひらく福沢諭吉展
http://www.fukuzawa2009.jp/


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2009年01月03日

相場師列伝(日経ヴェリタスonline)

日経ヴェリタスonlineにて、「相場師列伝」が連載されています。

鍋島高明・市場経済研究所代表がニッポンの相場師を取り上げたもので、現在のところ、「全財産かけ絹買い占め、蚕卵紙焼却事件の仕掛け人、原善三郎氏(08/12/29)」「大和証券のルーツで明治中期の米穀商、藤本清兵衛氏(08/12/22)」「 借金して「無配・王子株」にすべて賭ける、藤原銀次郎氏(08/12/15)」「日露反動相場で巨損の民権家、大矢正夫氏(08/12/8)」「家産蕩尽で奮起し、店立ち上げ、田村市三郎氏(08/12/1)」「兜町から蛎殻町をまたに掛け、川口佐一郎氏(08/11/24)」が掲載されています。

相場師列伝(日経ヴェリタスonline)
http://veritas.nikkei.co.jp/retsuden/index.aspx


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2009年01月02日

かわら版・鯰絵にみる江戸・明治の災害情報

東京大学附属図書館が電子展示「かわら版・鯰絵にみる江戸・明治の災害情報―石本コレクションから」を公開しています。

昨年行われた展示会の解説や資料目録、パネルのpdfなどが公開されています。

電子展示「かわら版・鯰絵にみる江戸・明治の災害情報−石本コレクションから」
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/tenjikai/tenjikai2008/


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2009年01月01日

東亜同文書院・東亜同文会雑誌記事データベース

愛知大学が東亜同文書院・東亜同文会雑誌記事データベースを公開しました。

戦前に東亜同文書院及び東亜同文会が発行した雑誌のうち、現在愛知大学が収蔵しているものを収録対象となっており、雑誌名・論題名・著者名・種別・巻号・刊行年・頁数・請求記号・所蔵場所などが採録されています。
今後は愛知大学に収録していない雑誌も調査対象として増やしていく予定とのことです。

東亜同文書院・東亜同文会雑誌記事データベース - 愛知大学東亜同文書院大学記念センター/オープン・リサーチ・センター
http://toadb.aichi-u.ac.jp/

愛知大学東亜同文書院大学記念センター
http://www.aichi-u.ac.jp/orc/index.html

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2008年12月23日

ニューヨーク公共図書館、明治期の日本関係彩色写真を公開

ニューヨーク公共図書館が、写真共有サイト“Flickr”による、歴史的写真の共有・情報収集プロジェクト“Commons”への参加し、16カテゴリー・約1,200枚の写真を公開しました。

公開写真の中には、幕末から明治にかけて横浜で活躍した写真師・日下部金兵衛の彩色写真約100点とアルバム帖も含まれています。

Asia and the Pacific Rim in Early Prints and Photographs
http://www.flickr.com/photos/nypl/collections/72157611217853493/

NYPL joins Flickr Commons
http://drupal02.nypl.org/blogs/2008/12/16/nypl-joins-flickr-commons


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2008年12月16日

国立国会図書館、雑誌記事索引のRSS配信を開始

国立国会図書館の雑誌記事索引採録対象誌の新着号の記事情報を、雑誌のタイトルごとにRSS配信するサービスを開始しました。

特定の雑誌の新着題目を知りたい場合には便利だと思います。

詳しくは下記アドレスをごらんください。

雑誌記事索引のRSS配信について
http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/about_rss.html

雑誌記事索引採録誌一覧
http://www.ndl.go.jp/jp/data/sakuin/sakuin_index.html


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2008年12月15日

海野勝みんと正阿弥勝義 〜アール・ヌーヴォーを生んだ日本の装飾美〜(清水三年坂美術館)

清水三年坂美術館にて2008/11/28(金)から2009/2/22(日)まで、表題の展示会が行なわれているそうです。

同美術館のホームページでは下記のように、展示会の趣旨が説明されています。


明治という時代は刀装金工達にとっては苦難の時代であった。それまでの幕藩体制が崩壊し、将軍家や大名家に仕えていた数千人の刀装金工達は突然職を失うことになる。
多くの刀装金工達が貿易用の欧米人好みにデザインされた花瓶や煙草箱やアクセサリーなどを作って生計をたてていた中で、そういったものは一切作らず、新しい時代の金属工芸の姿を真剣に模索していた人達がいた。それが海野(うんの)勝a(しょうみん)、正阿弥(しょうあみ)勝義(かつよし)等であった。
彼等はその当時、欧米諸国で頻繁に開催されていた万国博覧会に次々と新しい感覚の作品を発表し、受賞を重ね、欧米でも非常に高い評価を得ることに成功した。海野勝aは水戸金工として、また正阿弥勝義は岡山藩お抱え金工として幕末を迎えたが、明治になって頭角を現わし、一躍注目される存在となった。
日本が長い間鎖国をしていた為、日本の美術工芸は、欧米の一般の人々にはほとんど知られていなかった。それ故、欧米諸国の万国博覧会で日本の美術工芸が紹介されるやいなや、連日押すな押すなの盛況で、たちまちフランスを中心にジャポニズムブームがおこった。そして19世紀末になると、日本の植物・昆虫達をモチーフにした美術工芸に触発された芸術家達の間で新しい芸術運動が展開された。それがアール・ヌーヴォーである。
今回の展示の中心はアール・ヌーヴォー運動の芸術家達に影響を与えたと思われる偉大な金工作家である海野勝a、正阿弥勝義を中心に、エミール・ガレ、ルネ・ラリック(複製)の作品、そして現代の金工の名工、ジム・ケルソーの作品をご紹介致します。


詳しくは、下記サイトをご覧ください。

清水三年坂美術館
http://www.sannenzaka-museum.co.jp/index.html
海野勝aと正阿弥勝義展詳細
http://www.sannenzaka-museum.co.jp/kikaku.html


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2008年12月14日

「国宝」を創った男・六角紫水展(広島県立美術館)

広島県立美術館にて、2008/11/18(火)から2009/1/12(月・祝)まで、表題の展示会が行なわれているそうです。

同美術館ホームページでは、以下のように六角紫水の業績と展示会の趣旨が記されています。

明治維新後の廃仏毀釈や欧化政策により日本の伝統的文化財は存亡の危機に瀕しました。これらの文化財を調査・保存し,国宝指定するため,明治30年制定の古社寺保存法のもと,中尊寺金色堂(岩手県)を皮切りに,厳島神社(広島県)や三徳山三仏寺(鳥取県)など,岡倉天心らとともに全国を奔走した一群の人々の中に,若き日の漆芸家・六角紫水がいました。
六角紫水(慶応3・1867年〜昭和25・1950年)は瀬戸内海に浮かぶ能美島の大原村(現在の広島県江田島市大柿町)に生まれ、東京美術学校美術工芸科漆工部を第1期生として卒業して以来,東京美術学校教授,帝国芸術院会員などを歴任し,わが国の近代漆芸史に大きな足跡を残しました。
その業績は,わが国漆芸の,伝統技法の研究と継承,芸術性の向上や近代化,応用範囲の拡大と普及,文化財保護や学術研究など多岐にわたります。なかでも,日本の伝統文化が存亡の危機にあった激動の近代において,古社寺保存法による国宝指定やそれらの研究模写を積極的に推進したことは,わが国特有の伝統文化である漆芸を保存し,継承する上で,紫水の幅広い活動の中でも特筆すべき功績といえます。
この展覧会は,六角紫水の代表作を初めとして,関連する資料約200点を展示することにより,その業績を総合的に紹介するとともに,特に,日本におけるその草創期を切り開き,生涯に渡って情熱を傾けた文化財の保存・継承活動〜調査・研究・修復・模写,そして創造に至る過程〜に焦点を当て,それらが国宝や世界文化遺産として結実した現在,紫水の果たした歴史的意義を顕彰しようとするものです。


六角紫水の代表作を初めとして,関連する資料約200点が展示されており、その業績を総合的に知ることができる展示会とのことです。

詳しくは、下記サイトをご覧ください。

広島県立美術館
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/index.html
六角紫水展の詳細
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/exhibition/rokkaku_shisui/index.html

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2008年12月07日

蓑虫山人(みのむしさんじん)と青森〜放浪の画家が描いた明治の青森(青森県立郷土館)

青森県立郷土館にて、表題の展示会が行なわれているそうです。

蓑虫山人(本名=土岐源吾)は、幕末から明治にかけて全国を旅した画家で、青森市に残る有名な「絵日記」(個人蔵)のほか、本県の考古学事情を物語る貴重な巻物など初公開資料が展示されているそうです。

【期 間】11月22日(土)〜平成21年1月18日(日)
※年末年始(12/29〜1/3)は休館です。
【時 間】9:00〜17:00 【場 所】青森県立郷土館1階特別展示室(大ホール)
【観覧料】11・12月 一般310円(250円)高校・大学生150円(120円) 
        1月 一般250円(200円)高校・大学生120円(100円)
※( )内は20名以上の団体料金  ※小・中学生は無料です


郷土館のHPには、CM動画や学芸員のビデオトーク動画も公開されています。

詳しくは、下記ページをごらんください。

青森県立郷土館
http://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/culture/kyodokan.html



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